色素は一つの悩みではなく、一つのレーザーで足りるものでもありません
そばかす、日光性色素斑、肝斑、真皮の色素は、鏡の中では似たものに見えますが、皮膚の中では別物です。存在する深さが違い、レーザーのエネルギーに対する反応も違い、そのうちの一つは強い治療に報復してきます。
色素治療は、種類と深さを見極めるところから始まります。そばかすや日光性色素斑のような表皮の浅い色素は、一般にピコ秒レーザーのトーニングによく反応します。肝斑は深さが混在していて不安定で、エネルギーをかけすぎると悪化することがあるため、取り除くというより時間をかけて保存的に管理していく対象です。ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)のような真皮の色素には、より深く届く波長と、より多くの回数が必要になります。
色素の種類と治療の組み合わせ
| 種類 | 深さ | ディエスタでの対応 |
|---|---|---|
| そばかす、小さな日光性色素斑 | 表皮 | ピコトーニング、ピコプラス |
| 脂漏性角化症(隆起したもの) | 表皮・隆起性 | CO2レーザー。平坦なものはトーニングを併用する場合があります |
| 肝斑 | 表皮と真皮の混在 | ピコトーニング、エクセルV+ — 低めのエネルギーで、長めのコース |
| 赤みを伴う色素 | 血管性と色素性が同居 | エクセルV+ |
| ADM、真皮の色素 | 真皮 | ピコプラス、ピコK、デュアルトーニング |
| ほくろ、境界のはっきりした病変 | 限局性病変 | CO2レーザー、ヘクジャジウム |
見た目が同じ種類でも、深さ・色・肌の状態によって使用する機器の組み合わせは変わります。ここに挙げたどの色素治療も、完治や完全除去を意味するものではなく、必要な回数には個人差があります。
肝斑については、独立した項目が必要です
肝斑は、治療によってかえって悪化することが最も多い色素疾患です。レーザーの前に座る前に、その理由を理解しておく価値があります。肝斑は単に皮膚の中に色素が沈着しているだけの状態ではなく、色素をつくる細胞が言わば過剰反応しやすくなっている状態が関わっています。熱と炎症は、その細胞を刺激する要因の一つです。日光性色素斑を1回で消せるほどの出力を肝斑に当てると、抑えようとしていたまさにその反応を引き起こし、治療前より濃く残ってしまうことがあります。
だからこそ肝斑は、低いエネルギーで回数を分けて進めますし、治療後の紫外線対策も「できればやったほうがよい助言」ではありません。そして、決まった回数で肝斑を消してみせると約束する人は、保証できない結果を語っているということでもあります。肝斑は管理するもので — 多くの場合うまく管理でき、真っ先に目に入る悩みではなくなるところまで持っていけることも少なくありませんが — 日光、ホルモンの変化、熱によって再発します。誠実な治療計画は、それを先に伝えます。
他院で強い治療を受けて、色素がかえって濃くなって戻ってきたという経験がある方は、その経緯が重要な情報になります。カウンセリングでお聞かせください。
各院の機器
色素治療のラインナップは、2院で異なります。
| 機器 | 特徴 | 設置院 |
|---|---|---|
| ピコトーニング(ピコシュア) | 755nmのピコ秒レーザー。Zoom Pass、Zoom Spotの集束モードあり | 光教 |
| エクセルV+ | 血管・色素レーザー。Cool ViewモードとGenesisモードを備え、赤み、肝斑、血管、日光性色素斑に対応 | 光教 |
| ピコプラス | 450ピコ秒のパルス | 光教 |
| CO2・ヘクジャジウム | ほくろ、稗粒腫、スキンタッグ、境界のはっきりした病変 | 光教 |
| デュアルトーニング・ピコK | 真の300ピコ秒パルス | 千戸 |
| ブライトン | ナノ秒。均一なビームプロファイル | 千戸 |
| GVレーザー | 532nm、ドイツ製 | 千戸 |
アフターケアが結果を決める理由
色素治療は、施術後の過ごし方が結果を最も大きく左右する分野です。治療した肌は炎症を起こしている状態で、そこに強い日差しを浴びると炎症後色素沈着(PIH)が生じることがあります。これは薄くなるまでに数か月かかり、治療前より目立つ状態になってしまうこともあります。
このことは、旅行で来られる方には特有の問題になります。色素レーザーとビーチ中心の旅程は両立しません。日差しを長く浴びる予定が入っているなら、色素治療は旅程の初めではなく終盤に回すか、今回は見送ってください。カウンセリングで旅行の予定をお伝えください。技術的には成功した施術が期待外れの結果になる、最も多い原因がここにあります。
施術直後は、色素が薄くなる前にいったん濃く見えることがよくあります。処理された色素が表面に浮き上がり、細かいかさぶたを作ってから剥がれ落ちるためです。これは想定内の経過であり、失敗のサインではありません。無理に剥がさないでください。
よくあるご質問
それを誠実に約束できる治療はありません。肝斑には過剰反応しやすい色素産生細胞が関わっており、日光、熱、ホルモンの変化に影響されるため、再発します。管理することはできますし、真っ先に目につく悩みではなくなるところまで到達することも少なくありません。ただしそれは治すのではなく管理するということであり、エネルギーをかけすぎると悪化しうるため、治療はあえて保存的に進めます。決まった回数で完全に除去すると保証する医療機関は、誰にもコントロールできないことを約束しています。
施術後の数日間であれば、はい。多くはこれが想定どおりの経過です。処理された色素は表面に向かって浮き上がり、細かいかさぶたを作ってから剥がれ落ちるため、薄くなる前にいったん輪郭がはっきり見えることがあります。かさぶたは無理に取らないでください。想定内でないのは、数週間後に治療部位全体がぼんやりと黒ずんでくる場合です。これは紫外線が引き金になった炎症後色素沈着(PIH)の可能性があり、診察が必要です。
色素治療は1回で完結せず、一般にコースになります。回数は種類、深さ、肌の反応によって変わります。ADMのような真皮の色素は、表面のそばかすよりかなり多くの回数が必要です。肝斑は、エネルギーを強めることが逆効果になるからこそ、保存的に回数を分けて進めます。正直な見通しは診察の後に出せるものですし、どんな見通しも、肌の反応を見ながら見直していく計画として受け取っていただくべきものです。
そばかす(雀卵斑)は浅く、輪郭がはっきりしていて、比較的安定しており、ピコ秒レーザーのトーニングに予測しやすく反応します。肝斑は深さが混在し、境界がぼやけていて、日光やホルモンの変化で濃さが揺れ、強いエネルギーには悪く反応します。この二つは患者さんの間でよく混同されており、肝斑をそばかすと同じように扱うことが、色素治療が失敗する最も多いパターンです。レーザーを選ぶ前のカウンセリングが重要な、主要な理由の一つがここにあります。
残りの旅程次第です。色素治療の後に日差しを浴びると、薄くなるまで数か月かかる炎症後色素沈着(PIH)のリスクがあります。ビーチや長時間の屋外行動が旅程に入っているなら、初日ではなく終盤に回すか、今回は見送ってください。また、直前に日焼けした肌や炎症を起こしている肌は、すでに皮膚にある色素が本来のターゲットに向かうエネルギーを吸収してしまうため、当日お断りすることがあります。
違いますし、この区別は美容ではなく医療の問題です。境界のはっきりした病変は、びまん性の色素とは別に扱い、トーニングではなくCO2レーザーを用いるのが一般的です。さらに重要なのは、大きさ、形、色、境界が変化した色素性病変、あるいは出血やかゆみを伴う病変は、美容目的の除去を検討する前に医師の診察を受ける必要があるということです。診察せずにそうした病変をレーザーで取ってしまうのは、美容上の判断ではありません。