インクは消すのではありません。砕いて、運び出します。
レーザーはタトゥーの色素を、免疫細胞が処理できるほど小さな粒に砕きます。この違いがすべてを説明します。なぜ何か月もかかるのか、なぜ間隔が重要なのか、そしてなぜ一部の色が格段に手強いのか。
インクの色によって吸収する波長が違うため、どんなタトゥーにも1台で対応できるレーザーはありません。黒・濃いグレーは1064nmと755nmに、赤・オレンジは532nmに反応し、緑・青は755nmと1064nmで扱います。紫・水色・黄色がもっとも抵抗性が高い色です。施術間隔は6〜8週以上が標準です。実際にインクを運び出すのはご自身の免疫だからです。
色ごとの考え方
| インクの色 | 波長 | 機器 | 反応 |
|---|---|---|---|
| 黒・濃いグレー | 1064nm ・ 755nm | ピコプラス、ピコシュア | おおむね良く反応します |
| 赤・オレンジ | 532nm | ピコプラス | 反応することが多いです |
| 緑・青 | 755nm ・ 1064nm | ピコシュア、ピコプラス | 対応可能です |
| 紫・水色・黄色 | 755nm、複数パス | ピコシュアと補助機器 | 抵抗性が高く、回数は多くなります |
| アートメイク(眉・リップ) | まずテストスポット | 個別に判断します | 濃くなるリスクあり — 慎重に進めます |
抵抗性の高い色に残ったインクや、瘢痕・質感の変化に対しては、フラクショナル機器やアルマハイブリッド(Alma Hybrid)を補助的に用います。部位に血管性の赤みを伴う場合はエクセルV(Excel V)も検討します。
アジア人の肌に合わせて進め方を変える理由
メラニンの多い肌は、インクに向けたレーザーのエネルギーをより多く吸収します。結果は2つ。標的に届くエネルギーが減り、肌そのものに熱がより多くたまります。これが炎症後色素沈着(PIH)のリスクを高め、高出力では瘢痕のリスクにもつながります。
そのため、意図的に控えめなプロトコルをとります。出力を下げて回数を重ね、間隔を長くとり——一般に6〜8週以上、肌の色が濃い方は8〜12週——そして肌のメラニンに吸収されにくい1064nmを優先します。カラーインクやアートメイクでは、まずテストスポットを行い、経過を見てから全体に進みます。
遅いと感じられることがあります。しかしこれは、タトゥーが薄くなっていくのか、タトゥーがあった場所に消えない色素変化が残るのかの分かれ目です。期間を縮めようとして出力を上げることこそ、タトゥー除去がタトゥーより悪い結果を生む主な原因です。
アートメイクは別の問題です
半永久の化粧用色素はタトゥーのインクより浅い層に入っており、成分も異なります。酸化鉄や二酸化チタンを含むことが多く、これらの化合物はレーザーのエネルギーで化学変化を起こし、薄くなるどころか濃くなることがあります。ピーチ系・肌色系・白の色素がもっともリスクが高く、軽率な一度の照射で淡い眉の色素が濃いグレーに変わることもあります。
そのためアートメイクは、まずテストスポットを行い、十分な間隔をおいて評価してから範囲を広げます。眉・リップ・アイラインの色素を入れていて除去をご希望の場合は、色と、分かれば使用された色素の情報をお伝えください。そのうえで、色素によっては短期間で一気にではなく、長い期間をかけて慎重に扱うことになる——という正直な回答も想定しておいてください。
施術後に起こること
施術部位には赤み・腫れ・細かなかさぶた、ときに水疱が生じることがあります。これは合併症ではなく想定される経過の一部で、注意点はいつも同じです。触ってはがさない、清潔に保って保護する、その部位に日光を当てない。
エネルギーが過剰だと瘢痕が残ったり、色素が両方向に変化したりします。施術部位が周囲より白くなる色素脱失と、逆に濃くなる色素沈着です。控えめなプロトコルをとるのは、どちらも避けるためです。
海外から来られる方へ。これは旅行のなかで完結する施術ではありません。施術間隔は最低でも6〜8週で、意味のある結果には複数回が必要です。韓国でコースを始められるなら、続ける前提で計画してください。カウンセリングの際にその旨をお伝えいただければ、それを踏まえた計画を立てられます。
よくあるご質問
できません。レーザーはインクを砕き、その破片は数週間かけてご自身の免疫が処理します。しかも1回で砕けるのはインクの一部だけです。6〜8週以上あけた複数回の施術が必要で、回数はインクの色・深さ・密度・入れてからの年数、そしてその部位のリンパの流れ具合によって変わります。すでに入っているタトゥーを1回で除去できると言う人は、仕組みを説明していません。
できますが、色によって反応がかなり異なります。黒と濃いグレーは概してよく薄くなります。赤とオレンジは532nmに反応することが多いです。緑と青は755nmと1064nmで対応できます。紫・水色・黄色はもっとも抵抗性が高く、回数は増え、抜けきり方も完全ではないと考えてください。ご自身の色についての現実的な見立ては、色見本ではなく実際にタトゥーを診てからお伝えします。
施術は可能ですが、タトゥーよりはるかに慎重に進めます。化粧用色素には、レーザーのエネルギーで薄くなるどころか濃くなりうる化合物が含まれていることが多いためです。ピーチ系・肌色系・白の色素がもっともリスクが高くなります。まずテストスポットを行い、経過を見てから全体の施術に進みます。使用された色素が分かる場合はその情報をお持ちください。計画に本当に影響します。
瘢痕は起こりえます。しかもそれは運の問題というより、主にエネルギーと間隔の問題です。当院のプロトコルを意図的に控えめにしているのはそのためです。また、もともとタトゥーを入れた際の瘢痕が、インクが薄くなるにつれて目立ってくることもあります。施術後の細かなかさぶたや、ときに生じる水疱は想定内で自然に落ち着きます。それを触ってはがすことが、想定内の反応を瘢痕に変えてしまいます。
一般には、タトゥーを入れるときより不快だと言われます。素早く弾けるような感覚で、医療脱毛より鋭く感じられます。ただし短時間で、当てる範囲も限られます。冷却を併用し、施術中の負担をどう抑えるかはカウンセリングでご相談します。骨の上や皮膚の薄い部位は、肉づきのある部位より敏感です。
できません。ここははっきり申し上げます。タトゥー除去クリームとして売られている製品は、真皮にあるインクまで届きません。外用薬はその深さまで浸透しないからです。一部の製品が実際に起こすのは、インクより上の皮膚への化学的な損傷であり、瘢痕や色素変化のリスクを招きながらタトゥーはそのまま残ります。塩を使った摩擦などの自己流の方法も同じです。結果として残るのは、タトゥーのない肌ではなく、傷あとのついたタトゥーです。